ひったくりと「死」:時事通信

『ひったくり男?池で水死』


 6月4日に時事通信が配信したが、5日現在どの新聞も報じていない(大阪本社版には出てるかも)。


 『大阪府堺市で3日昼、ひったくり事件で職務質問を受けた男が逃走、近くの池に飛び込み、大阪府警泉北署が池を捜索したところ、4日午前、水中から遺体を発見した』というのだ。
 3日に堺市南区でひったくり事件があり、近くの公園にいた25歳の男性を警官2名が職務質問したところ、この男性が主婦の財布を持っていた。しかし、男性は警官のすきを見て逃げ出したそうだ。
 ま、ここまでは、ありがちと言えばありがちな話。


 ところが、この先、事件は急展開する。
 『突然男が走りだし、公園内の池に飛び込んだ。男は背泳ぎで逃げたが、約15メートルの地点で沈んだ』という。
 って、おーい! もしもし??
 なぜ池に? そして、どうして背泳ぎ!? しかも15メートルで撃沈。。。


 その後、どの新聞も掲載しないところを見ると、もしかしたら精神障害などを患った男性だったのかもしれない。
 だが、問題は、警官が、しかも2人で職務質問している時に、このような事件(事故?)が起こっていいのか、ということ。
 重大犯であった場合の失態という意味と、一方で起訴された場合に予想される量刑とまったく釣り合いのとれない「死」という結末を迎えたことと両面から考えて。


 「背泳ぎ」が笑いを誘うニュースではあるけれど、そこに止まらない姿勢が、大阪府警記者クラブに所属しているであろう、この記者には求められている気がする。


PS ところで、この現場付近をヤフー地図で見てみたが、あちこちにため池があって、水の調達に苦心してきた先人の苦労がしのばれた。もしかしたら、事件のあった池も、もともとは渡来人によって築かれたものかもしれない。そんな歴史を感じさせる地域だ。