親心と日の丸:朝日新聞

『新設の都立養護学校、教室に日の丸』


 4月17日、朝日新聞の多摩版だ。


 『国旗を普通教室内に常時掲揚する形で開校した、都立永福学園養護学校(杉並区)』『小林進校長が朝日新聞の取材に応じ』たとのインタビュー記事。
 数日前の同紙社会面で、比較的軽い知的障害のある生徒が通学する同校の教室に『左に国旗、中央に校訓の「誠心誠意」、右に都のシンボルマークが入った幅90センチ、縦20センチほどのプレート』が掲げられていることが報じられたが、その意図をさぐるものだ。


 教室内での日の丸掲示について小林校長は、『一般企業では社訓や国旗、社旗を社内に掲示しているところも多いだろう。それが今の社会であり、学校にいる間に、それに近い体験をさせるのが目的だ』という。
 すごく親心をもった教育をしていく学校だということがうかがえる。


 都立の学校では初めてのことだが? との質問に対しては、『今まで通りの養護学校ではダメだという認識のもと、「ここは学校ではなく、疑似会社にしよう」とやっている』そうで、『職業人として当たり前に持っておくべき態度を身につけさせたい』との願いが根幹にあるという。
 その証拠に、小学生年代の教室には掲示せず、高等部の30教室のみに掲示しており、『職業人の育成という目的のもとに掲示しており、私が意図を持って「国旗の強制」として機械的にすべての教室に掲示しているわけではない』と話したという。


 この都立養護学校の日の丸掲示問題は、朝日新聞だけが報じているようだが、きちんと校長の「願い」をインタビューしたことは高く評価されていい。
 そして、その校長が、「ファシストは怖い顔してはやってこない。微笑みながらやってくる」という歴史的常識を改めて立証したことも、同じく評価されるべきだろう。