損得勘定:朝日新聞

『議員年金 減額逃れ?』


 朝日新聞、4月6日の多摩版の記事だ。


 『統一地方選で議員の改選がある都内の市区町村のうち43市区町村と、30日に任期切れを迎える台東区議で、議員年金の受給権がある在任通算12年以上の19人が、任期満了を待たずに3月末で辞職していた』というのだが、それがどうした? というか、なんの話? と思うよね。
 要するに、任期満了となる4月よりも1カ月早く辞職した議員が19人いるというのだが、その理由がすごい。
 『(4月)1日施行の地方議員年金制度に関する法改正で、任期満了まで在任していると議員年金の給付水準が12.5%引き下げられる。中には減額を逃れるため早めに辞めた人もいるとみられている』んだって!


 同紙によると、次期選挙に出馬せず勇退する市区町村議は都内で200人以上いるそうだが、『このうち、首長選や都議補選に「くら替え」するために辞職した議員を除いて、3月末までに20人が辞職した。在任通算12年未満は1人だった』という。
 23区で12年以上区議を務めた人の年金を例にすると、3月中に辞任するのと、任期満了まで務めるのとで、年額23万円ほどの差になるそうで、1カ月分の給料を「損」しても、『3年目には、早く辞めることで多くもらえる年金の分が、もらえなかった報酬分を上回る』のだと。


 当然、その後も毎年23万円の差があるわけで(死ぬまで!)、選挙だなんだで議会が機能しない1カ月を「ムダ」に過ごす理由はないということらしい。
 こんな問題があることを有権者は知らされていないし、これは立派なスクープだと思う。
 ただ、惜しむらくは、その19人の実名が報道されていないこと。
 『3月末までに辞めた議員のなかには「体調を崩した」という人もいる。「ほかに仕事もあり、年金だけに頼っていない」として、年金確保だけを辞職の理由とは言わない退職者もいる』ことから配慮をしたのだろうけれど、無記名では、区市町村議への不信を増幅させるだけにならないか。


 いや、不信感はあおった方がいいという判断か。