無頓着:東京新聞

『「マックジョブ」はつまらなくない』


 3月22日、東京新聞の記事だ。


 『米ファストフード大手マクドナルドは、同社のハンバーガー店で働くことから派生した「マックジョブ」という言葉について、「つまらない仕事」と定義している英国の辞典出版社に、変更を求めて署名活動を展開することを決めた』という。


 「マックジョブ」なる言葉は1980年代から使われだし、『オックスフォード英語辞典は「つまらなく展望もない低賃金の仕事。サービス業の発展で生まれた」などと定義』していて、2001年に同辞典のオンライン版に掲載されたもよう。
 これに対して、マクドナルド社は出版元のオックスフォード大学に『現実に即していない。サービス業で勤勉に働く人たちへの侮辱』と抗議しているんだって。


 いかにも、アメリカの弁護士が考えそうな飛躍した論法だよね〜。
 「サービス業で勤勉に働く人たち」とマクドナルド社の店頭で”働かされている人たち”が同義じゃないことから、この言葉が生まれ、言い得て妙だと得心した人が多かったから単語として流通したのであって、すべてのサービス業を揶揄したものではない、と思うんだけど。


 さらに、『同社役員の半数もハンバーガー店から出発したと』しているのはそれぞれの社の都合だから勝手だけど、『定義の変更を求める署名活動を5月から開始する』に至っては、言葉狩りの域に達していることに、どうしてこうも無頓着でいられるんだろうか(そもそも、どんな定義に変更しろというのだろう。「展望があって高給な仕事の意味」とでも?)。
 もっとも、無頓着だからこそ、あんなハンバーガーを世界中で売り歩けるのかもしれないが。。。