日常化:朝日新聞

『プロデューサーズ』


 3月17日、朝日新聞の夕刊。
 小見出しは、『虚実の境界超えて活動』とあり、映画製作・配給会社シグロのプロデューサー、山上徹二郎さんが紹介されている。


 『ドキュメンタリーをドラマのように撮りたい。劇映画にドキュメンタリー的なものを取り込みたい』という山上さんが製作する作品は、「映画 日本国憲法」から公開中の「松ケ根乱射事件」まで、かなり幅広い。
 ちなみに、ぼくの昨年のベスト1映画「三池物語」を配給したのもシグロだった。
 (「日本国憲法」と「松ケ根」は)『まったくタイプの違う2本だが、製作動機は同じーー自己規制が広がる時代への危機感だという』。そして、『9・11後の日本社会に対するいらだちが、製作ペースに拍車をかけている気がする』とも。


 「松ケ根〜」では、映倫の「R-15」指定を粘り強い交渉でPG-12に変更させたという。
 『テレビも映画も萎縮した表現ばかりになった。自己規制しているのに気づかず、自由だと思いこむ。それが日常化しているのがこわい』との分析は、あらゆる場面で見受けられる現代ニッポンの姿だろう。


 かくなる上は、「松ケ根」を見に行くか。かなりヘンな映画だけど。
松ケ根乱射事件のホームページ