ニホンゴムズカシイ:読売新聞

『尾道への思いも虚構だったか…』


 3月16日、読売新聞の夕刊だ。


 ライブドア社の元社長、堀江貴文さんが、証券取引法違反実刑判決を受けた日の「町の声」のひとつ。
 長い文章ではないので、全文を引用。
 『05年の衆院選で広島6区から出馬(落選)した堀江被告が事務所を置いた広島県尾道市では、選挙後にライブドア社のホームページ作成を支援した市民団体副代表、加藤慈然(じねん)さん(49)が、「実刑判決は仕方がないが、尾道への思いも虚構だったのかと思うと、むなしくなる」と話した』


 理解できました?
 『選挙後にライブドア社のホームページ作成を支援した』なる形容句は、意味不明ですよね?
 選挙後に? それまでライブドア社のホームページはなかった? 作成を支援って? 「がんばれー」とか?


 あんまり分からないので、読売新聞に尋ねた。
 東京本社の読者係の社員は、「なるほど」と言ったまま、しばし絶句。
 で、「たぶん、この方は堀江被告の選挙を支援して、落選後も次回を目指して支援活動を開始されたんでしょうね」というので、「いや、だから『選挙後にライブドア社のホームページ作成を支援した』の意味を聞いているんです」と畳み掛けても、「うーん」とうなるばかり。
 しまいには、「この記事は広島総局の記者が書いてますから、云々かんぬん」とラチが明かないので礼を言って、電話を切った。


 で、グーグルで検索をかけた。
 こんなのが出てきた。ライブドアニュースの記事だ。
堀江初公判、“地元”尾道はいま(上)



 要するに、ライブドア社は、選挙前に「ライブドア尾道」なる地域情報サイトを開設したものの、選挙後に堀江さんが逮捕され、あえなく閉鎖。しかし、地元・尾道からのインターネット発信に夢を託した加藤さんらが、独自に「ライブドア尾道」を再開させたと。


 ナゾも解いてみれば、「なーんだ」だが、社員が理解できない日本語は改めてほしい。
 あと、『尾道への思いも虚構だった』と、東京地裁は認定していない。たぶん。