謙虚に:東京新聞

『雅子さま本出版中止』


 2月17日の東京新聞だ。


 『オーストラリア人ジャーナリストが、皇太子妃雅子さまの苦悩などを取り上げた著書「プリンセス・マサコ」の日本語版の刊行を3月に予定していた講談社は16日、同書の出版中止を発表した』というのだが、扱いが小さすぎやしませんか?
 18日現在で他紙の扱いが分からないのだけど、社会面のベタ記事にすべきニュースではないでしょう。
 日本政府が、1人のジャーナリストに直接圧力をかけている事例なんですから、1面に持ってきても不思議がないはず。少なくとも、国家に言論を統制されない自由を尊重してるならね。
 実際、インターネット新聞の「日刊ベリタ」などは、著者に直接インタビューまでしている。
日刊ベリタの記事


 で、講談社は出版中止について、『「原書の明らかな事実誤認に対して、著者のベン・ヒルズ氏が示した姿勢は謙虚ではなく、容認できない」と理由を説明している』のだとか。
 これは、禁断の「満へぇ〜」を与えていいんじゃない?
 講談社から本を出している著者は、みーんな謙虚なんだ。まさにトリビアだよ。
 第一、「謙虚なジャーナリスト」の本なんて、誰が何のために読むわけ!?


 それにしても、『講談社広報室によると、英語の原書の翻訳・編集の過程で、多数の事実誤認や日本の読者にはなじまない表現などが認められたため、著者の了解を得て修正を行い、日本語版の原稿を完成させていた』そうだから、ますます、言論封殺以外のなにものでもないよね(じっさい、17日夜まではヤフーやセブンイレブンなどの書籍通販で予約を受け付けていた)。


 ちなみに。
 宮内庁が著者に送った抗議文が、同庁のホームページで閲覧できます。
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/hills-letter.html


 これによると、雅子さんに関する記述については、ほとんどが事実っていう了解になりますが、よろしいんでしょうか?