プロ意識:朝日新聞

『「ノックアウトメダカ」誕生』


 2月15日、朝日新聞の記事だ。サブタイトルは、『実験用に遺伝子破壊 京大教授ら成功』とある。
 これいかに?


 『特定の遺伝子を働かなくし、病気の原因究明や新薬開発に役立てる実験用のメダカづくりに京都大大学院医学研究科の武田俊一教授らのグループが成功』したそうで、『日本発の新しい実験動物として注目される』というもの。


 『武田教授らは、魚に突然変異を起こす薬物を食べさせて遺伝子を壊すという』方法で、5000種以上の壊れ方をした染色体と精子を冷凍保存し、”注文”に合った壊れ方をした遺伝子を持つメダカが用意できるようになったんだとか。
 しかも、これまでの手法では、1つの遺伝子を壊すのに数百万もかかるそうで、それに比べて「ノックアウトメダカ」は、『30万〜100万ぐらいでできる』ので、『安価なうえ、子孫もすぐに増やせ飼育も簡単。複数の遺伝子を壊すなどの複雑な実験もできるなど多くのメリットがある』と武田教授は話すとも。


 ぼくがつい最近、99年に茨城県の核燃料加工施設JCOで起こった臨界事故のため遺伝子を破壊された職員がどんな死に方をするかをルポした「朽ちていった命」新潮文庫)を読んだばかりだから、過敏になっているだけかもしれない。
 それに、現代社会に動物実験は不可欠なのだから、甘いこと言うなと言われるかもしれない。
 でもさ、ありえなくない? こんなこと。


 で、このニュースを、『実用化に道』なんてふうに平然と記事にできる人々は、プロ意識が高いんだろうね、京大の先生と同じように…。