大人はいずこ:ロイター

『子供の「泣き声」で鶏大量死、父親に賠償命令 中国』


 1月25日、ロイターの配信だ。


 『中国東部の江蘇省の村で、何百羽もの鶏が大量死する事件があり、地元裁判所は、鶏小屋の近くで大声で泣き叫んだ4歳の男児の声が死因』と判断したのだとか。


 なんでも、地元紙によると、『この男児は昨年の夏、江蘇省の村にやってき』て、『犬にほえられておびえ、鶏小屋の窓辺に寄りかかって長いこと大声で泣き叫んでいた』そうで、『裁判所は、男児の泣き声は想像以上に大きく、鶏小屋の中にいた443羽の鶏は驚いてパニックに陥り、互いに踏みつけあって圧死した、と結論付けた』という。


 鶏には悪いが、なんとも牧歌的な話だ。
 しかし、問題は、この裁判所の判断で、大声で泣いた男の子の父親に対して、『鶏の所有者に1800元(約2万8000円)の損害賠償を支払うよう』命じたというのだ。


 そりゃ、鶏業者にとっては災難ではあったけれど、それと損害賠償には、かなりのギャップがあるように思う。
 いわば、だれも悪くない、そんな事件ではないの?
 「大人(たいじん)の国」とされてきた中国への幻想がもろくも崩れさる、といえば言い過ぎだろうか。