人生とは:東京新聞

『上司と口論 殴り死なす』


 1月20日東京新聞の夕刊だ。


 『警視庁代々木署は20日、会社の上司を殴ったとして、傷害の現行犯で(中略)会社員鈴木●●容疑者を逮捕』し、その後に、殴られた上司が亡くなったので、傷害致死罪として取り調べをしているとのこと。


 ただ、「殴り死なす」という見出しから受ける印象と、本文にある状況は、微妙にギャップがあるようだ。
 記事には、『調べでは、鈴木容疑者は同日午前2時45分ごろ、東京都渋谷区初台1の牛丼店「松屋初台店」で、勤務先の広告代理店の役員の(中略)山下●●さんと口論になり殴った』そうで、『鈴木容疑者らは19日夜から一緒に飲酒後、牛丼店に入ったという』とあるからだ。


 たぶんだけれど、数時間は一緒に飲んで、「腹へりましたね」とか言いながら松屋に入ったのであろう(ものの本によると、人はアルコールを分解する際に体内の糖分を消費するため、血中糖度が下がり、空腹と感じるのだそうだ)。
 鈴木さんと山下さんが、二人だけで飲んでいたのかどうかは分からないが、本当に気に入らない相手となら、たとえ飲み会には同席を強要されたとしても、その後の牛丼店までは付き合わないだろう。
 なのに、殴ってしまった。
 なおかつ、『山下さんは直後に、いすから転倒。意識不明となり、約1時間半後に死亡』してしまった。


 まったく、人生というのは、よく分からないものだ。