安心な映画:読売新聞

『邦画活況、TVと連動 大入り』

 1月4日の読売新聞だ。

 『2006年の日本映画の興収(興行収入)が、1985年以来、21年ぶりに外国映画を上回ることが確実になった』という。同紙の資料によると、85年から一貫して外国映画が日本映画を上回り、2003年には、8割近いシェアを外国映画が占めた。
 それが、数年で逆転。昨年は、53:47で日本映画が上回る見込みで、その理由が、テレビ番組との連動にあるという。


 『(11月に公開された「デスノート」の後編は)興収約55億円で、6月公開の前編の30億円を大きく上回った』として、『後編躍進の要因は、製作に参加した日本テレビが公開1週間前に前編を放送したこと』と断じている。
 なんでも、前編がテレビ放送された地域の初日観客数は、前編の3倍ほどにもなったとして、配給会社(ハリウッド系)の『ウイリアム・アイアトン社長は「テレビの圧倒的な力を感じた」と言う』とか。
 そして、『昨年の日本映画の興収上位10本は、すべてテレビ局が製作にかかわった作品だった』と報じている。


 これだけテレビがらみの作品がヒットする理由として、フジテレビの亀山千広映画事業局長は、「今の観客は、お金を払う以上、あらかじめ、どんなものか分かった上で出かけていく」として、”安心感”が重要だと話している。


 フランスでもイタリアでも、そして韓国やベトナムでも、自国映画をいかにして守るかが議論されているが、日本ではテレビがホワイトナイトの役目を果たしているということか。
 でも、いったい何を守っているのだろう。