クリスマス粉砕:オーマイニュース

『クリスマスなんてぶっつぶせ』

 ネット上の新聞、オーマイニュース12月25日の記事だ。

 「市民みんなが記者だ」をキャッチフレーズに、この秋華々しく登場し、一時は「2ちゃんねらーのアイドル」として君臨したオーマイニユースだけど、ここ最近(特にコメント欄への書き込みを市民記者に限定したころから)は、減速気味。じっさい、読んでる人、いますか?
 私も、得体の知れない、インターネット新聞(?)「J-CAST」の方がおもしろいと思うぐらいだ。
J-CASTのトップページ

 とはいえ、『イブの夜、新宿での「革命運動」に出くわした』なんて記事なら、オーマイニュースも大歓迎。
オーマイニュースの記事

 『クリスマスイブの夜、(中略)輝くネオンやクリスマスソングにすら憎々しい感情を抱きかねなかったとき、人づてに「君みたいな男にピッタリのイベントがあるらしいぞ」とネット上の噂を聞いた。』という記者のひとりごとで始まる記事は、じつにおもしろい。

 新宿駅の東南口広場(甲州街道寄りの東口に出る大きな階段がある所と言えば分かる?)で、12月24日に「クリスマス粉砕集会」なるものが実行されたという。
 クリスマスを「粉砕」するとは何事かと参加者に尋ねた記者に、『30歳前後と思われる男性参加者は』『「これは、恋愛をしなければならないという昨今の体制に対してアンチを掲げる集会なんです」』と語ったという。
 『「革命的非モテ同盟」のメンバーだと名乗る彼は、クリスマスを「恋人の日」たらしめる恋愛至上/資本主義に対し、恋愛と隔絶された「非モテ」階級の同志たる「フラレタリアート」を集め、団結して怒りの階級的鉄槌を与える、などという熱弁をふるった。』というのだから、アホだ。

 そして、実力行使に出た内容というのが、路上にコタツをセットし、鍋パーティーを催すというもので、当然ながら警官によって、あえなく排除される顛末が、動画で記録されている。

 フラレタリアート」たちの弱腰具合はともかく、こういった「(自分の)半径500メートルのジャーナリズム」こそが、オーマイニュース(日本版)の生きる道なのではないだろうか。
 50センチでも500キロでもない、半径500メートルの出来事というのは、商業新聞は取り上げにくいものだ。かといって、半径50センチを主戦場とするブログにも公開されにくい。
 特に、『コタツに敷布団は無い。』というキャプションなどは、臨場感があって、かなりポイント高しだ。

 韓国では、(ある左翼学生が「戦後最大の出来事」と評した)ノ・ムヒョン大統領誕生を後押ししたとされるオーマイニュースだが、日本では、日本での「生きる道」があるのではないかと思ったしだい。
 いましばらく、見捨てずにおこうか。