一斉に冬休み:読売新聞

 『フムフム…上がったかな? 都内で終業式』

 12月25日、読売新聞の夕刊だ。

 『東京都内の公立小中学校1508校で25日、2学期の終業式が行われた』という季節ものの記事で、通知表を見る生徒たちの写真が主で、添え物のような原稿がついている。
 同様の記事は、夕刊がある各紙とも掲載している。
 たとえば、朝日新聞『2学期、どうだったぁ?』のタイトルで、毎日が『「思いやり持ってね」児童に呼び掛け終業式』、東京は『あすから冬休み♪』とウキウキ感を音符で表している。
 いや、これだけなら、特にモンダイのない記事なんだけど(というか、このブログ自体が問題を暴く趣旨ではないし)。

 それぞれの写真をよく見ると、なんとなく背景が似てる。
 読売の取材先は、荒川区立の峡田(はけた)小学校だ。
 朝日は? あれ、これも峡田小
 偶然か。と思って、毎日を見てみると、やはり荒川区峡田小学校
 念のためと東京新聞を見ると、写真のキャプションに、「25日午前9時42分、東京都荒川区峡田小学校で」と妙に詳しい説明がある。
 ちなみに、毎日新聞が撮影した時刻は、「午前9時35分」だそうだ。

 いや、やはりモンダイはない、のかも知れない(くどいが、このブログは新聞を糾弾する場ではない)。

 でもなあ。
 「大丈夫か」と心配にはなる。
 名だたる新聞が、そろいも揃って、同じ小学校の、同じクラスを、同時刻に取材して、ひとつの記事に仕上げるのって、報道の自由があったり、多様性を重んじる民主国家と馴染まないような気がするのは、ヘンクツすぎる見かただろうか。

 朝日の写真には、ぼんやりとではあるけれど、テレビカメラらしきものも写っている。そうか、テレビ局もやってきてたのか、峡田小には。