死刑囚に苦痛:東京新聞

『執行に34分、死刑囚に苦痛』

 12月17日東京新聞の記事だ(共同通信配信)。

 『米フロリダ州で13日に行われた薬物注射による死刑執行が、通常の2倍以上に当たる34分間もかかった上、死刑囚が苦痛を感じていたとみられることが明かになり、米メディアが連日大きく報道している』

 というのだが…。


 記事によると、プエルトリコ系の男性が1997年にバーのマネージャーを殺害したとして、死刑執行にいたったという。
 『薬物注射の場合、通常は腕に注射された後、数分で意識を失い、15分以内で死亡宣告に至る。ところが今回は、20分以上たっても、死刑囚が顔をゆがめたり、まばたきしたりする動作が見られ、異例の再注射を余儀なくされた』

 注射がうまく刺せなかったのが原因のようなんだけど。
 だからと言って、『死刑制度に反対する市民団体が「非人道的」と一斉に反発』しているというのは、とても理解できない。
 死刑執行も、15分以内なら「人道的」とは、どんなご都合主義なんだろうか。しかも、注射を打つ係の人の精神的な苦痛は、一生続くんではないのか。
 さらに、この死刑囚は、無罪を主張していたとも言う。

 死刑という刑事罰を行う権利を国家のみに与えることが、非人道的行為なのであって、分数が問題なのではないだろう。

 ちなみに、ウィキペディアによると、日本の死刑方法である絞首刑の場合は、「一般に絞頚開始から 8〜12 秒で意識不明に陥るといわれている。落とし戸を用いる場合は、落下距離を十分とれば落下時の衝撃で受刑者の頚椎が折れて瞬時に意識を失うとされている。」という。
 すっごく「人道的」で、アメリカの市民団体も文句のつけようがなかろう。